ジャマルさんを支援する会が外務省に申し入れ

学生への弾圧に抗議を!

 ジャマルさんを支援する会が外務省に申し入れ

 「イラン政府に弾圧されている学生を救うための国際キャンぺーンに協力を」とのジャマルさんからの熱い呼びかけにこたえて、2月8日、1時半から、支援する会は、外務省に、イランの人権抑圧に関する申し入れを行いました。

 今回の申し入れには参議院員の今野東さんの秘書福田さんのご協力をいただき、実現しました。

 参加したのは、会代表の雨宮さん、私、斎藤さん、それに福田さんです。応対したのは、中東アフリカ局第二課、外務事務官のS氏。

 福田さんの挨拶のあと、雨宮さんが「イランの情勢は、平和憲法をもち、人権の保障を掲げる国家の一員として見逃すことができない。国際社会において名誉ある地位を示すためにも、ぜひ日本の政府が発言をしてほしい。軍事的な協力ばかり優先するきらいがあるが、人権を尊重する国家たることを示すことこそ真の国際貢献であり、また国益にも沿うものである」等々と訴えました。

 ついで私が、申し入れの具体的な内容を説明、「しっかりとイラン政府に抗議し、解決のために真剣な努力を」と、要請。しばらく討議しました。

 S氏はイランの情勢について、よく知っていました。学生に対する弾圧、1学生の死亡についても、オサンルー氏、バギ氏のことも、現地の大使館からの情報などで知っていました。

 イランに在留してペルシャ語を学んだそうで、現地で見聞きしたことについて尋ねると、「自分の接触している範囲の人たちは、比較的合理的な考え方の人が多かったが、西洋音楽、洋服に対する嫌悪が強かったり、未婚の男女がパーティー、集会をしているところへ警察が踏み込んだりする、警察がチャドル(スカーフ)をしていない女性に暴行する等々のことは見聞きした」と言っていました。

 「イラン政府に対して、どのような働きかけをしているのか」という質問には、以下のような回答でした。「EU議会は抗議声明を出したりしているが、日本政府としては格段の批判はしていない。ただ年に1回イラン政府の人権担当者との間で<人権に対する対話>を行い、率直な意見表明を行っている。人権の担当者と司法等の担当者とのあいだには、かなりの考え方の違いがあるようだ」、「司法の最高の権威が公開処刑反対の意を表明するなど、世界からの批判で、いくらか姿勢が変わってきているところもある」等々。

 我々としては、「現政府に対してしっかりとした批判の姿勢を示すこと、学生、労働者、人権運動家等々に対する弾圧をやめるようイラン政府に要請することによって、イランの人々、世界からの信頼をえるようにしてほしい」と表明して、申し入れを終わりました。2時20分くらいになっていたでしょうか。

 地味ではありますが、おそらく日本では唯一、ジャマルさんを支援する会は、イランでの学生弾圧に対する抗議を、公的に表明することができました。われわれの現在の主体的な力量としては、精一杯というところでしょう。大衆運動としての取り組みは、これからの課題です。

                            さかい

                                                                                                                                                          • -

高村正彦外務大臣 殿                       2008年2月8日

                               ジャマルさんを支援する会
                                代 表  雨宮剛
                                事務局長 酒井雅巳

 イランの学生、労働組合活動家への弾圧に抗議して下さい。

 イランのアフマディネジャド大統領による人権抑圧が一段と強まっています。最近の代表的な事例は、昨年12月以降の学生に対する弾圧です。12月7日のイラン学生記念日の集会を準備していた学生たちに対して、政府は12月2日から弾圧を始めて7日までに48名を逮捕、学生の多くは、悪名高いエヴィン刑務所に投獄されています。迫害は、彼らの家族にも及び、学生の一人が死亡する事件も起きています。
 学生たちは、大学の軍事化に反対し、思想の自由等々を要求したにすぎません。それなのに、イラン政府は、彼らの爆発物やアダルトビデオの所持、国外反体制グループとの結びつきなどをでっち上げ、このような弾圧を強行したのです。いやしくも民主主義や人権の擁護を掲げる国家ではありえない蛮行、暴挙です。またこれは、女性や人権運動家、労働組合活動家などへの弾圧の一部分にすぎません。
 イランの学生やその家族たちは、2月2日から9日まで、全世界の人権組織などに、学生の釈放を求める国際キャンペーンを呼びかけています。私たちは、このキャンペーンの一環として、外務大臣に対して以下のことを要請しますので、イラン政府への働きかけをお願いいたします。

1 学生への不当な弾圧に抗議し、ただちに学生たちを釈放するように、イラン政府に対して、申しいれること。

2 また、テヘランのバス運転手の労働組合活動家オサンルー氏やサッゲズ市のパン職人の組合の指導者サレヒ氏、死刑廃止を求めただけで懲役刑を受けたバギ氏など、あらゆる労働運動、人権運動の活動家を釈放するように、求めること。

3 国連による死刑執行停止決議を蹂躙して強行されている大量処刑、公開処刑、未成年者の処刑などをやめるように、求めること。

(以上)