学生の食器とスプーン抗議、坊主教師はイヤ!

 11月5日(水)、テヘラン中心の芸術大学の出入り口には学生の告知が張られています。<抗議行動、12:30分に集合です>!一千名余りの学生が集まって来ています。皆は食器とスプーンを手にしています。これから何がはじまるのだろうか。学生の今回の集まりの理由はどんなもんでしょうか。丁度11:30分になると学生は食器叩きをはじめます。大学内の規則と管理の実態に対して怒っている学生は大幅改善を求めているようです。しかし、時間経つ事につれて、学生運動の本質が現れて来ます。そして、これまで学生の訴えを無視し続けていた学長などは動き出します。女子学生の一人はイスに上がって訴えはじめます。学生仲間の二名は、女性と喋っただけで退学処分を受けています。また、全く芸術的な知識を持っていない坊主教師の追い出しを求めます。今回、スプーンと食器叩きは学生の抗議の声を学校外へ届けるための作戦になっています。学校側からすでに連絡が付いているため、あっと言う間に十数台の情報機関の車が大学前に着いていす。そして、何の聞き取りもせず、学生に棒を振りはじめます。学生はカメラやビデオをしまって、仲間の助けにかけつけます。そして、...。
 イラン学生の日までは後一ヶ月間を切ったところでこのような集まりが行われています。事実、今年の夏休み中から、情報機関隊が多くの学生を町中とか自宅などで逮捕し、連れ去っています。その人数は数百名に上ります。退学処分を受けている学生も決して少なくありません。学期がはじまってこの一月あまりの間でもで既に多くの学生が様々な処分を受けたり、逮捕されています。また、多額金を取られて釈放されている学生にたいして、絶対に政治運動に係わらないよ条件を付けられています。勿論、後の起訴問題も残ったままです。
 やばんなイスラム政権のこんな悪政策と学生の弾圧は、第二文化革命として行われています。人気教師を目障りだとして、無理やり退職させたり、学生活動家を逮捕したり、男女区別をするや、大学の軍事化は今回文化革命の主な内容です。まるっきり考えられていないのは大学と言う学問所の意味です。
 最近テヘラン大学の学院長に選ばれているラハバリーは堂々とこのような発言をしています。<私は4年間情報機関に努めて来た人物です。イスラム社会にふさわしくない学生をどうように叩きつければ良いのかはきちんと解っています、と。大学規則に従わない学生にはようがありません!?
 こんな情報機関員の学長は文部省と一緒になって大学用の征服(イスラム服)をつくろうとしています。だが、そんな狂った征服はイスラム政権の性的なアパルトヘイトの象徴であり、学生は全くそれに反対しています。
 既にテヘラン大学周辺は監視カメラと公安のバリケートで囲まれていますが、これは明らかに学生の日に向けた対策であります。大学の出入りはまるっきり軍地域へ出入りするような状況になっています。
 経済状況は深刻さを増している一方で、学生を含めて多くの労働者、若者は怒りを募らせています。いつも社会的闘いの先頭を走る学生の今後の動きから目を離せません。特に、去年に明らかになったように、今後の学生運動を引っ張って行こうとしているのは社会主義の学生たちです!
 こんな学生を誇りに思うと同時に、全力を上げてイラン大衆の闘いを世界中に伝え続けようと思います。イスラム政権は直ちに全ての学生を釈放するべきです。国際社会は、非道を諦めないイスラム政権を全ての公開場から排除するべきです。
 ごく当たり前の権利のために闘うイラン学生には全ての学生、知識人、労働者、個人と団体の支援を望みます!
去年の写真:元情報機関員・人殺し・拷問者・狂ったアハマディネジャード大統領の目の前で彼のポスターを燃やしながら、<大学は独裁者とファシストのところではない、出て行け>、って叫ぶ学生!

文部省前で退学を訴えるテヘラン学生!