一ヶ月で29名の処刑!

 今週の水曜日にはテヘランのエビン刑務所で9名(女性一名)が処刑されました。この9名の身元はまだ発表されていません。今度の件で今月に処刑された人数は29名に遡りました。つまり一日に一人の処刑と言う事です。今回の処刑執行の理由は国連とEU議会からイランの人権、人道状況悪化に対して出された勧告の後の反攻と見られています。これは明らかに政治的な背景をもとにした悪行為と言うべきですが、バリバリティのイスラム政権ならではのやり方に過ぎないのです。
 通常、犯罪者にも人権があると言われています。だが、イスラム政権の刑罰法でさえ非道的で、国際基準から大きくかけ離れています。こんな非道な刑罰法をもとにして大量死刑を執行する一方で幾つかの人間の手、足を切断したり、目を抜き出す刑罰も執行されています。やはりこれは、非道とバルバルティなやり方を繰り返さずにイスラム政権の支配は不可能である事の意味です。こんな政権の国際機関からの排除を要請するのは正当で当然な要請だと思います。
 人間誰一人も犯罪者として生まれて来る訳ではありません。犯罪発生の原因は政治、経済、社会環境の悪化にあります。中学生にも解るこの当たり前の事実は今問われるようになっています。当たり前の事実として言える根拠は歴史的、科学的に証明されているからです(宗教は科学、歴史学を否定するが)。そんな否定的な流れである死刑制度維持国の支配権は、自分の責任放棄を担って、社会的問題と犯罪発生の理由を歴史のせいにしようとしています。しかし、差別と階級的な競争、貧困と失業、戦争を再生させているのは他でもなく現在の資本政治家であり、誰よりも責任が重大であります。このように歴史を悪ものにするやり方は人類知識の侮辱に過ぎません。実際、死刑制度を維持する政権の本音は階級的な社会、差別、貧困、失業、売春、犯罪を無くしたくない事です。そして、不況は社会を襲う時にその無責任さはますます透明化して来ます。実際、不況の深化と社会的抵抗の拡大と同時に死刑も増加して来ます。であれ、特定の国に限らず、死刑制度の背景には政治的な動機があると言えます。
 最後に、国連と欧米諸国はイラン政権を批判する中で、曖昧と言うべき日本政府の立場です。外務省の主張によると、文化的対話を進めている、と言います。いったいこの対話の内容はどんなものであって、いつ、どこで、どのように行われているのかは明らかになっていない、あるいは知られていないと思います。また、そもそもの文化対話(嫌われ者のイラン元大統領の言葉)と言う考えは今や笑いもの、空振り、ごまかしに過ぎない事は明らかになっていますが。欧米諸国はイランとの貿易関係を保ちながら人権・人道状況を批判していますが、日本政権の立場はあまりにも保守的です。これまで一度も公表な批判はしていないのではないでしょうか。国連理事国に選ばれていればなうさら問題ですが。アメリカとの強い同盟を主張しながらイラン政権に対してロシア、中国と同じ立場です!?実に見事な政治的トリック、責任無視です。では文化を選ぶのか、人権・人道の尊重を選ぶのかのどっちかの話です。これまで多くの犠牲を払って来ているイラン大衆は死刑制度と反動なイスラム文化に反対であります。
 イラン大衆の望みは異常なイスラム政権への国際的な圧力です。中東の最も重要な国であるイランの人々の決意はこの地域の将来を左右させます。彼らの決意はイスラム政権の打倒であって、モダンで人間らしい社会の実現です。政治・経済的な状況の悪化が進む一方で、膨大な人々の抵抗を受けてイスラム政権内の争いはますます激しくなっています。間違いなく怒りいっぱいの大衆の闘いは来年には大きく前進します!
 自由・平等を手に入れて中東、そして、世界を大きく前進させます!

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